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中国とカナダがセメント業界のCO2回収で協力

  • 2021-07-11 12:52
  • ACROFAN=Newswire
  • newswire@acrofan.com
中国建築材料アカデミー (China Building Materials Academy、以下「CBMA」) とカナダを拠点とするインターナショナルCCSナレッジセンター (International CCS Knowledge Centre、以下「ナレッジセンター」) が新たにコラボレーションを開始し、世界のセメント業界で排出量を大幅に削減するために設計された二酸化炭素回収技術の理解と知識共有の両方で同時に前進を図っていく。

今回の合意の下、最初の取り組みとなるセメントキルンプロジェクトでの二酸化炭素回収パイロットでは、ナレッジセンターのモデルとテストプラットフォームのフロント・エンド・エンジニアリング・デザイン (Front End Engineering Design、以下「FEED」) を適用して、CBMAを支援していく。FEEDには、1日約155 kgの二酸化炭素 (CO2) 回収能力がある。このプロジェクトは、セメントキルンで生成された燃焼後煙道ガスを利用する二酸化炭素回収システムに基づいて構築され、試験運用される。

ナレッジセンターは、セメントキルン運用と燃焼後二酸化炭素回収システムとの統合の特性について学び、洞察を獲得するオブザーバーの役割を果たす。この合意によりナレッジセンターは、詳細設計、試験、モデリングに基づくデータ、排出ガス関連情報、CO2回収試験プラットフォームの改善などの運用データへのアクセスを付与される。

今回の協力合意は、カナダと中国の二国間の科学技術協力である中国-カナダ科学技術協力行動計画 (China-Canada Science & Technology Cooperative Action Plan) の一環である。さらにこの合意は、2030年までに炭素排出量ピークを、2060年までにカーボンニュートラルを達成する中国政府の目標と一致している。この目標に沿って、中国のセメント業界は低炭素技術の革新を加速するよう取り組んでいる。

二酸化炭素回収パイロットプラットフォームを通じて、CBMAはノウハウを商業規模の実証にまで拡張して適用することを期待されている。さらにこのノウハウは、世界最大のセメント生産者で、CBMAの親会社である中国建材股分有限公司 (China National Building Materials Ltd.、以下「CNBM」) が保有する大量の車両にも適用できる。

ナレッジセンターは現在、カナダにある有名なバウンダリーダム3号機CCS施設の商用石炭火力発電所で蓄積した大規模CCSの体験に基づく同じモデルを適用して、カナダのエドモントンにあるリーハイのセメント工場で、大規模燃焼後二酸化炭素回収システムの実現可能性調査を実施している。