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フィリップス・メディサイズ、GlucoModicum社との提携によりニードルフリーの革新的な持続血糖値モニターを開発

  • 2023-10-04 17:07
  • ACROFAN=Newswire
  • newswire@acrofan.com
モレックスのグループ会社の1つで医薬品投与デバイス、体外診断デバイス、MedTechデバイスの設計・エンジニアリング・製造分野で業界をけん引するフィリップス・メディサイズは、フィンランドを拠点とする革新的なMedTech企業であるGlucoModicumとの提携により、持続血糖値モニタリング(CGM: Continuous Glucose Monitoring)の技術面および患者管理における障害を取り除く、独自の非侵襲的ウェアラブルデバイスの設計、最終的な製品化に取り組んでいます。

「当社は、血糖値のモニタリングを改善する、正確で廉価なニードルフリーのソリューションの実現を目指していました」 と、GlucoModicum社のマネージングディレクターを務めるヨッケ・マキ(Jokke Mäki)氏は語ります。「フィリップス・メディサイズとの提携により、当社は有力な科学技術を応用することで、何十億人もの方々の糖尿病管理に役立つ可能性がある、世界トップクラスの製品を開発しました」(マキ氏)。

 
製品イノベーションの加速

より簡便かつ迅速に測定できる、体にやさしいCGMの代替手段を模索していたGlucoModicum社は、磁気流体力学(MHD)を応用し、少量のエネルギーを間質液(血管と細胞の間を満たしている体液)に直接加えて皮膚の表面まで到達させることで、血糖サンプルを迅速かつ簡単に抽出する方法を発見しました。

科学者たちによる綿密な研究と並行して、GlucoModicum社は、新たな装置「Talisman」のビジョンの実現を支援する、経験豊富な開発製造受託機関(CDMO)を探し求めていました。MHD技術と超高感度バイオセンサー、高度なアルゴリズムを統合したこの装置は患者の腕に装着するタイプで、スマートフォンのアプリに接続することで血糖値測定に必要なデータを収集し、レポートを提供します。なお、本装置はまだFDAの承認を受けておらず、CEマークも取得していません。

Talismanの開発にあたり、フィリップス・メディサイズは、工業デザイン、機械・電気エンジニアリング、コネクティビティ、材料科学、小型化、サプライチェーン管理、ソフトウェア開発、製造、テスト、品質保証、規制遵守など数々の専門技術を応用しました。

フィリップス・メディサイズの事業開発マネージャー、ホーマー・フェアリーは次のように語ります。「私たちがまず着手したのは、アイデア、コンセプト、図面の作成です。完成したサンプル製品をGlucoModicum社に提供した日は、両社にとってまさに可能性が実現する瞬間でした。コンセプトが実証された今は、フィリップス・メディサイズの大量生産能力を駆使して、数億単位のユニットを予定どおり、コスト効率の高い方法で生産できればと思っています。これにより、このプロジェクトに大きなメリットがもたらされるはずです」。

2022年11月、GlucoModicum社は、5名の健常なボランティアを対象に実施したブドウ糖負荷試験に基づき、独自のMHD技術の安全性・有効性・効率性に関する結果をScientific Reports誌に発表しました。GlucoModicum社のMHD技術とバイオセンサーソリューションが、皮膚から間質液を抽出する試験で行われた他のニードルフリーの方法よりも13倍も効果的であることを示すこの結果は、これまで公開されたデータをさらに裏付けるものとなりました。また、5名の健常なボランティアを対象に追加テストを実施したところ、Talismanのバイオセンサーは、市販の同等のバイオセンサーよりもグルコース分子に対する感度が8倍も高いことが明らかとなりました。

CGMは治療の意思決定に関わるものであるため、アメリカ食品医薬品局(FDA)や医薬品医療機器総合機構(PMDA)といった公認機関や同様の規制当局が求める臨床的有効性や文書は発売の成功に向けた計画を策定する上で極めて重要です。フィリップス・メディサイズの設計・開発チームは、規制関連文書の作成から、デバイス分類やリスク評価、装置に特化した規制当局への薬事申請要件に関するガイダンスまで、各企業のニーズに合わせてカスタマイズした薬事機能を医療関係のお客様に提供します。今回のケースでは、フィリップス・メディサイズは、GlucoModicum社がこの装置を発売する市場において、規制当局に薬事申請を行う際の必要事項について助言を行いました。GlucoModicum社のチームは、フィリップス・メディサイズの助言および規制関連の知識が洞察に富み、今後の上市計画を検討する上で有益であると実感しました。

綿密な臨床試験と規制当局の承認が完了次第、フィリップス・メディサイズの世界的な製造拠点と広範なサプライチェーンネットワーク、高度な組立の自動化機能を活用して、数億台規模のデバイスとバイオセンサーの製造を開始できるよう現在準備が進められています。両社はまた、この革新的な技術を他の疾患の管理に応用する可能性についても模索し始めています。

サポートリソース

GlucoModicum社とフィリップス・メディサイズのケーススタディ
https://www.phillipsmedisize.com/about/glucomodicum-case-study

フィリップス・メディサイズについて

モレックスのグループ会社の1つであるフィリップス・メディサイズは、製薬、医療技術、体外診断の大手企業と協力し、人々の健康な暮らしに役立つ革新的な製品を設計・開発、製造しています。また、自動車産業、消費財、防衛産業等への支援サービスも手掛けています。フィリップス・メディサイズは受託開発製造機関(CDMO)として、60年の経験に基づく専門知識と世界有数の実績を持つデザイン開発・製造能力を生かし、お客様と協力して製品やソリューションを提供することで、毎年数百万人の患者様や医療従事者、個人がより健康で生産性の高い生活を送ることに貢献しています。

モレックスについて

モレックスは、より良い、より接続性の高い世界の実現にコミットする、エレクトロニクス市場のグローバルリーダーです。40を超える国々で事業を展開するモレックスは、自動車、データセンター、産業用オートメーション、ヘルスケア、5G、クラウド、消費者向けデバイスの各業界で変革をもたらす技術革新を可能にしています。モレックスは、お客様や業界との信頼関係、卓越したエンジニアリングの専門知識、製品の品質と信頼性を通じて、「Creating Connections for Life」の無限の可能性を実現しています。詳細は、www.molex.comをご覧ください。