acrofan

産業 経済 技術 ゲーム
社会 生活 自動車 メディア

OpenStackサミット東京2015:開幕日の基調講演

  • 2015-10-29 23:50
  • ACROFAN=權 容滿
  • yongman.kwon@acrofan.com
OpenStack財団は10月27日から30日まで東京グランドプリンスインターナショナルコンベンションセンターとホテルで「OpenStackサミット東京2015(OpenStack Summit Tokyo 2015)」を進行した。今回のOpenStackサミット東京2015では、OpenStackの優れた活用事例と次期バージョン「Mitaka」のロードマップが共有された。

OpenStackサミットはOpenStack財団がグローバルレベルで1年に2回開催する大規模なイベントであり、2013年にポートランドと香港、2014年アトランタ、パリで行われ、2015年上半期は、バンクーバーで行われて55カ国で967社の企業、 6千人以上が参加したことがある。東京で開かれた今回のサミットは、2013年に香港開催以来二番目に、アジア太平洋地域で開催されるOpenStackサミットで、OpenStackに関するさまざまな人々が参加して情報を共有する場を持った。

東京で行われる今回のOpenStackサミットでは、基調講演と、様々なセッションで、コンテナの技術を導入した企業の事例からコンテナ管理などのベストプラクティスが紹介されている。また、一緒に進行されているデザインサミットでス開発者とユーザーが2016年リリース13のOpenStackのバージョンである「三鷹」のロードマップを共有する予定である。約70以上のスポンサーと出展者が参加し、各リーダーによる基調講演、深みのある個々のセッション、ハンズオンワークショップやデザイン協力セッションなど、様々なセッションが用意されている。

 
▲Johathan Bryce OpenStack財団エグゼクティブディレクター

Johathan Bryce OpenStack財団エグゼクティブディレクターは、この席で、今回の東京でのサミットが北米で行われたイベントを除けば最大規模であり、現在のOpenStackはNEC、富士通、日立などの日本企業がゴールドメンバーとして活動していると紹介した。また、今回のイベントの開催に日本のOpenStackユーザグループの協力もあったと付け加えた。

グローバル力量を備えたコミュニティのためには人材が必要であり、OpenStack財団はそのためのトレーニングマーケットプレイスを介して専門家の養成のための教育課程に関する情報を提供していると紹介した。そして認定の専門家のための新しい認証システムでOpenStackの最初の認定資格であるCOA(Certified OpenStack Administrator)が2016年からリリースする予定だと発表した。この資格は少なくとも6ヶ月以上OpenStackの使用経験と日常運用、管理を提供するための技術を保有する必要がある。

OpenStack財団はCOA資格が専門性や技術の基本的な資格を備えたことを認証する意味を持ち、この資格を介して、世界中のどのコミュニティでも基本的な基準を満たして専門家としての活動が可能になると紹介した。一方、認定試験は、Linux Foundationの支援を受けて運営されており、最初の試験は2016年第2四半期に行われる予定である。そして、現在、世界中の多くの企業がOpenStackトレーニングを提供しており、10カ国以上のOpenStack生態系の代表がCOAの技術と能力を策定するコミュニティグループに属している。

 
▲10月15日に発表された最新のリリースである「Liberty」は、12番目のメジャーアップデート

OpenStackの12番目のリリースである「Liberty」は、10月15日に発表された事であり、4百万行以上のコードと2千以上の貢献者が参加したことがある。主な特徴としては、管理性、スケーラビリティ(Scalability)、拡張性(Extensibility)などが挙げられており、ユーザーとオペレータの多様なニーズが適用された。特に、データの面でのアップグレード部分でユーザー体験の強化のためには、アップグレードしやすさとスケーラビリティ、拡張性、管理性の側面が重要だったと強調した。

最近の開発環境は、開発者とユーザーの間にどのような形の障壁が存在し、これがユーザーのニーズと最終製品との間の違いを生み出す場合もある。しかし、OpenStackの開発は、ユーザーがソフトウェアの方向性を決定し、自分たちの要件を十分に反映する形で開発に参加することが特徴である。そして、このような利点を最大限にできるようにする方案としてOpenStackの様々な構成要素を一連のコアサービスと付加サービスに区分して構成する「コアサービス&ビッグテント」形を提示した。

これは、OpenStackユーザが実際に使用する型がいくつかの核心的サービスに集中するという点に着目したもので、一連のコアサービスを基本にして付加サービスを追加する形となる。そして、これはバンクーバーサミットで提示された事があり、ガイドラインはコミュニティベースので作られていると説明した。また、これにより、OpenStackだけ持っていくことができる共通のユーザー経験の確保が可能であり、付加サービスには、スコアリングと能力の分析、使用頻度の分析、ユーザーアンケートなどを通じたフィードバック収容などが行われると付け加えた。

 
▲「コアサービス&ビッグテント」形と異議活用のためのプロジェクトナビゲータを紹介した。

一方、採用と成熟度の観点からOpenStackの構成要素は、プロジェクトの初期と比較して大きく成長しており、今も急速に変わりつつある。そして、OpenStack財団は、ユーザーがソフトウェアをどのように使用するか、十分な情報に基づいて決定することができるよう支援する、理解しやすい情報を提供するための「プロジェクトナビゲータ(Project Navigator)」を紹介した。また、財団はOpenStackマーケットプレイスにユーザーがより簡単にソフトウェアを適用することができるように設計された製品を継続的に追加している。

プロジェクトナビゲータは、プロジェクトの成熟度、発売予定、パッケージング、およびドキュメンテーションのサポートなど、各プロジェクト別主要情報を集め、プロジェクト固有の機能の範囲とそのサービスの理解を助ける。この席で公開されたプロジェクトナビゲーターは、新しいユーザーがすべてのOpenStackクラウドにわたって最も多く採用される6つのコアサービスと、使用目的によって構築から選択するかどうかが決定される付加サービスを簡単に区別できるように助ける。

ナビゲーターのサービスのデータは、OpenStackの技術とユーザー委員会が提供し、各プロジェクトのデータだけでなく、実際のユーザーの事例とホワイトペーパーに基づくサンプル構成管理を提示する。一方、マーケットプレイスに新たに更新されたナビゲーターは、統合認証アイコンで、ユーザーがOpenStackの生態系に含まれている製品とサービスのキーストーン認証サービス内で統合認証をサポートしている種類を迅速に把握できるようにする。

 
▲ヤフージャパンは、OpenStackを通じた最大の収穫で「共通のAPI」の使用を挙げた。

数年前、インフラストラクチャは実験的サービスを構成するに多数のVMを使用したが、ある時点からベアメタルの適用、そしてコンテナの適用を通じた運用環境の制御性の確保などが行われ、これによりいくつかの技術が混在することになった。OpenStackはこれらの仮想マシン、ベアメタル、コンテナと新しい技術を統合することができ、1つのプラットフォームを提供することが強みだと紹介した。そしてOpenStackベースの広範な技術を活用した様々な事例が紹介された。

リチウムテクノロジーの事例では、クラウドを介した効率的な開発のための「コンテナ」に注目したと紹介された。リチウムテクノロジーは数十個のマイクロサービスを一ヶ月以内に開発、配布することができる環境を提供するうえで、コンテナを活用し、これを簡単に実装することができた。また、ダッシュボードを介して、開発者がサービスの面で大きな画像を見ることができるし、サービスの修正配布も即座に進むことができるという点、システムの運用でボットを実装、便利な操作を可能にしたという点などを紹介した。

ヤフージャパンは、大規模なサービスで、様々な技術をベースのインフラストラクチャをOpenStackベースの統合構成事例を紹介した。ヤフージャパンの事例では突然のイベントが発生した後、数十秒後に、データセンターに急なサービス需要のピークが続き、自然災害などの緊急事態を伝えるアプリ運営などのミッションクリティカルレベルサービスをOpenStackベースで提供していると紹介した。また、これは、エンタープライズ環境でも活用可能であり、同じインターフェイスとAPIを様々な環境に提供するという点を強調した。

同じAPIをさまざまな環境に提供し、これを統合するアップストラクション層を備える場合、プラットフォーム以前の利便性などを確保することができ、簡単に物理的な環境を抽象化して、ハードウェアのライフサイクルを定義することなどが可能となる。そしてIaaSでOpenStackの活用にあり、共通のAPI利用を通じた互換性の増大と一緒にOpenStackベースで独自のユニークな機能の開発、機器固有の機能などは装備ベンダーとの協力で開発を進めて互いに利点をとって、コストを削減などの効果も得たと紹介した。

 
▲今回のスーパーユーザアワードは、日本NTTグループが選ばれた。

 
▲NECは、生態系の貢献の別の役割で「スーパーインテグレータ」を提案した。

キーノートの真ん中に「スーパーユーザアワード」の授賞式も行われた。今回のサミットでの候補は計3つのチームにOpenStackを利用してサービスを提供する信用評価を提供グローバル企業であるFICO、1000以上のVMを運営することが知られているリチウムテクノロジーズ、そして日本の最大のキャリアであり、OpenStackベースのサービス事例を今回のサミットで発表する予定であるNTTグループが紹介されており、この場では最終受賞者でNTTグループを発表、授賞を行った。

続いて行われたNECの事例では、ユーザーとのコミュニティに新たな価値を提供する「スーパーインテグレータ(Super Integrator)」が提示された。 NECはOpenStackの初期から参加してきたメンバーで、現在10代の貢献企業の一つに挙げられる。そしてNECはOpenStackに参加したので、OpenStackと生態系の成長が非常に早かった多くの開発者が一緒に参加し、オープンソースの驚くべき力を見せてくれていて、現在の多くの機器がOpenStackで駆動されて、ディストリビューター数の迅速な増加など驚くべき進展が継続されていると強調した。

スーパーインテグレータは、既存の個人単位のスーパーユーザが共有することができない大規模な環境でのクラウド、経験の蓄積と共有が可能な存在ほど整理されている。そして、これらには、多くの事例を通じてノウハウを共有し、OpenStackを共有する「公開」、ソースコードなど、ユーザを助け、コミュニティと協力して、ユーザーが必要とする機能強化にすべての人の利益になるようにする「貢献」を強調した。そしてこれにより、OpenStackをより多く使用するようになってエコシステムが展開されることができると明らかにした。

そしてNECは自らのコンピューティングとネットワークの豊富な経験を持って、ハードウェアとクラウド、SDNを利用したプログラムなどを作成しており、統合サービスを通信会社や企業に提供し、顧客の性格やニーズを把握する位置にあると紹介した。これOpenStackにNECは、ユーザであり、インテグレータであり、スーパーインテグレータにより近づくことができると明らかにした。また、スーパーインテグレータは、新たな価値をユーザとコミュニティに伝達して生態系を拡張することができるようにするものと付け加えた。


 
▲ BITNAMIはOpenStackを使用するサービスの構成でのいくつかのアドバイスを提示した。

 
▲INTELはOpenStackの生態系にも積極的な活動を見せている。

BITNAMIの事例では、実際のユーザーが望むクラウドプラットフォームの要件に使いやすく良い生態系、信頼性の高い安全な生態系環境と迅速な開発が可能な環境などが挙げられた。また、プラットフォームの速度の面では、一貫性のある開発と展開の経験が提示されており、BITNAMIモバイルのようなクラウド経験的に簡単な展開の経験、パブリック環境でのセルフサービス環境の提供などでサービスの管理環境を提供可能でなければならず、管理者に管理使いやすさを提供していない場合は、お客様が離脱すると指摘した。

一貫性の側面には、より多くの安全な環境と一緒に再利用可能なコンポーネントなどが提示され、新しいソリューションと製品のクイックリリースのための自動化では、ツールの標準化などで可能であると紹介した。また、簡単に画像を見つけて選択できるようにライブラリに画像が存在して管理することができるようにして、開発から商用に至るまで全体の部分でユーザーサポートが可能にすべきだと紹介した。そして、このような要素を満足させるためには、パートナーとの協力も良い方法だと付け加えた。

INTELは、OpenStackが、その「すべてのデータセンターをソフトウェア定義で実装」ビジョンにおいて重要な部分の一つだと紹介し、今後2020年に500億台の機器がインターネットやアプリケーションに接続されている時代を備えるためにOpenStackの成熟が必要だと明らかにした。また、INTELは数万個の新しいクラウドのための「Cloud for all」イニシアチブのための投資と最適化などを進めていると付け加えた。

INTELは、ラックスペースと一緒に「OpenStackイノベーションセンター(Openstack Innovation Center)」を運営し、OpenStackのためのアップストリーム・エンジニアリングチームを作ってサポートして既に数十人のエンジニアが活動しており、この活動にワーキンググループを構成して財団に貢献しようとすると紹介した。また、二つのデータセンターでは、各1万台のサーバーが構成され、テストとスケーリングをして見ることができ、OpenStackの開発者のために専用に運営されることにより、これを活用して配置の確認などの作業が可能になるだろうと付け加えた。

一方、INTELはMIRANTISとOpenStackエンジニアリングの部分で協力しており、この他にも様々な企業とIntelプラットフォームベースでのOpenStack配布のために協力していると紹介した。そして、通信事業者のためのOpenStackサポートにもアップストリームを介して利用率を高めることが重要であり、キャリアグレードのOpenStackの開発で、Red Hatと協力を進めており、ネットワークビルダーファーストトラックを介して最適化と統合、相互運用性などを提供していると付け加えた。

 
▲この程度なら今OpenStackベースのクラウドインフラストラクチャは、遠くにあるものではない。

続いて、日本のGMOが自社のOpenStackベースのクラウド活用事例を紹介した。 GMOは、2011年からOpenStackベースのクラウドを構成し始め、現在15,000以上の顧客を獲得し、4つの地域で1,400以上のノードを様々なOpenStackバージョンベースで運営しており、代表的にはOpenStackジュノーバージョンをベースにしたパブリッククラウドサービス「Konoha」が選ばれた。このサービスはストレージにSSDを基本構成とし、ニュートロンとオープンvSwitchでネットワークを構成して、コスト効率の高い高性能環境を提供するのが特徴である。

顧客事例では、「Cチャンネル」が選ばれた。 Cチャンネルはこの席で、今、メディアの生産と消費の主要なチャンネルがスマートフォンに移って、スマートフォンで撮影と視聴を容易にすることができるようになり、ビデオ製作などで女性ユーザーの割合が高まっていると紹介した。また、GMOのプラットフォーム活用をビデオなどでも拡大しており、この部分でGMOは多くのノウハウを持っており、協力したと付け加えた。

GMOのアップスクラウド(AppsCloud)はOpenStackハバナベースで低遅延のネットワークとの融合IO ioDrive 2の構成、ノヴァとベアメタルコンピュート運営を結合してサービスに活用していると紹介した。このサービスの事例では、エイミング(Aiming)のモバイルゲームサービスの事例が紹介されており、現在OpenStackベースのインフラストラクチャで様々なゲームをサービスしており、既存のゲームの世界展開も準備していると明らかにした。一方、OpenStackは、さまざまなビジネスモデルに適しており、大きなメリットを提供していると付け加えた。