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ラックスリサーチ、デジタルバイオマーカーに関する動向をまとめた報告書を発表

  • 2020-12-04 16:28
  • ACROFAN=Bora Kim
  • bora.kim@acrofan.com
 COVID-19を受け、医療分野ではさまざまな取り組みが活発化している。そのようななか、研究開発分野で注目されつつある一方で、診断の場面では活用が進んでいないものとして、デジタルバイオマーカーがある。そこで、ラックスリサーチはデジタルバイオマーカーにおけるイノベーション動向をまとめた報告書、『The Lux Take on the Future of Digital Biomarkers(デジタルバイオマーカーの今後:ラックスリサーチの見解)』を発表した。

本報告書では、デジタルバイオマーカーが今後導入・活用されていくために必要な5つの要因である①商品(Product)、②技術の成熟レベル(technology readiness level)、③市場構成(market organization)、④市場側の受け入れ態勢(market readiness)、⑤製造(Production)について評価した。

通常、バイオマーカーは、診断と治療計画に際し、臨床での意思決定を可能にするデータポイントを提供する。これらは、解剖学的データや生化学データから特定されている。

一方、デジタルバイオマーカーは、音声、歩数、または睡眠など、非侵襲的な方法にてデータを収集しパターン識別を行う点が特徴だ。これらのパターン識別の基礎となるアルゴリズムはスマートフォンやウェアラブルに搭載されている。

デジタルバイオマーカーは、データ収集が①継続的で、②非侵襲的方法を用いており、また③データの遠隔収集を行う、という3点により定義されており、収集されたデータセットは、医師が患者の健康状態を全体的に把握するために必要な情報の一部として、健康・医療の場面にて活用することが可能だ。

COVID-19はテレヘルスの主要な要素としてデジタルバイオマーカーの活用の前進につながった。臨床実証済みの製品への搭載はまだ数年先のことですが、デジタルバイオマーカーが識別できる症状は、ここ5年間で70%増加している。

ただし、米国エネルギー省による技術の成熟度(Technology Readiness Level、T R L)を用いて評価した場合、デジタルバイオマーカーは、用途に応じてT R Lは異なる。その理由として、デジタルバイオマーカー開発企業の大半が大学や他の研究機関に属しており、ウェアラブル技術を開発する企業に属する場合がごく一部にすぎないことが挙げられる。

ラックスリサーチは、コンシューマー向け医療、メドテク(MedTech)、医薬品・ヘルスケアの各分野においてデジタルバイオマーカーは来年以降注目が集まり、向こう数十年に渡り医療分野に大きな影響を与えることになると予測している。