COVID-19によって利用増加が見られる先端デジタル技術、特に人工知能（AI）とIoTは、リテール市場において、認知からユーザーリテンションに至るまで、カスタマージャーニーを根本的に変えつつあります。ラックスリサーチの新しいレポート、『The Digital Transformation of the Consumer Journey（カスタマージャーニーのデジタルトランスフォメーション）』では、カスタマージャーニーを強化するためにどのようなデジタル技術が活用できるかについて概説しています。 https://bit.ly/30qVlgN

リテール市場ではすでにデジタルマーケティングやEコマースなどの伝統的なデジタルソリューションが普及しており、デジタル化の基礎的取り組みが十分行われてきたことから、AIやIoTなどの先端デジタル技術の導入に必要な基盤が確立されています。ラックスリサーチアナリストで本レポートの執筆者であるJerrold Wangは、先端AI技術やIoT技術は、データ収集を通じてさらに個別化されたサービスの提供を行うことを可能にするため、消費材メーカーやサプライヤーに高い価値を生み出すと言います。

本レポートでは、食品、飲料、栄養、衣服・靴、化粧品・パーソナルケア、スポーツ用品、家具・家庭用品などを含めたリテール市場向け商品全体において、先端デジタル技術がカスタマージャーニーにどのような影響を与えるかについて具体的な事例を紹介しています。

リテール市場で最もよく利用されている先端デジタル技術としては、コンピュータビジョン、音声認識、自然言語処理のようなヒトと機械のインタラクションのためのAI技術、並びにスマートカメラ及びセンサー、拡張現実（AR）などが挙げられます。

「これらのデジタル技術は、カスタマージャーニーの5つの分野である『認知』、『検討』、『購入』、『使用』、『リテンション』全てに貢献可能ですが、技術イノベーションは特に『検討』と『使用』分野に集中しています。AIを活用し商品リコメンデーションの個別化、また商品利用の自動化など、事業機会の多くがこの『検討』と『使用』分野で見られます。この分野でのイノベーションへ取り組むことは、よりカスタマイズされた付加価値サービスをユーザーに提供するにもつながり、消費者の囲い込みにも貢献します。また、これらの『検討』と『使用』分野での取り組みの強化は、商品販売とカスタマーリテンションに直接的な影響を与えるため、新規顧客および既存顧客双方からの収益を押し上げることになります」、とWangはコメントしています。

各コンシューマが自分のニーズに見合ったリコメンデーションを求めるようになる中、仏ロレアルや米プロクター・アンド・ギャンブル社などのトップ企業は、カスタマージャーニーの各フェーズにてデジタル技術を活用しています。また、中小企業も新しいソリューションを日々生み出しています。コンシューマ向け商品市場において、AIやIoTなどの技術は今後企業の競争力維持にも大きな影響を与えることになるため、デジタル技術未導入の企業は迅速にデジタル戦略策定に取り組む必要があります。