acrofan

産業 経済 技術 ゲーム
社会 生活 自動車 メディア

ラックスリサーチ、スマートホームエネルギーマネジメントに関するレポートを発表

  • 2020-07-17 12:37
  • ACROFAN=Bora Kim
  • bora.kim@acrofan.com
 家庭でのエネルギー利用は産業用エネルギー利用に次いで消費エネルギー量が多く、世界的なエネルギー利用に大きな影響を与えている。しかしながら、家庭向けのエネルギーマネジメントエコシステムは、インターネットに接続された機器を活用する『スマートホーム』と、家庭向け発電、蓄電、電気自動車充電サービスなどのエネルギーサービスを提供する『エクステンデッドホーム』という、それぞれ孤立したエコシステムとなっており、ほとんど重複しない形で存在している。この独立した2つのエコシステムを統合するためには、エネルギーマネジメントという唯一の重複分野に注目する必要がある。

そこで、ラックスリサーチは、新しい報告書、『Delivering Smart Home Energy Management(スマートホームエネルギーマネジメントを提供するには)』にて、この2つのエコシステムをつなぎ、クリーンエネルギーへのトランジションを支援するためにどのような解決策が見出せるかについて取り上げた。

現在、家庭向けのエネルギーマネジメントエコシステムとしては、セキュリティーや利便性、快適性という側面に対応するスマートホームエコシステムと、家庭での発電、蓄電、電気自動車の充電に対応する、エクステンデッドホームエコシステムに分割されている。

今日、すべてのホームエコシステムサービスを提供するスマートホーム/エネルギーマネジメントサービスは存在しない。ただし、これら2つのエコシステムにおいて唯一重複する領域としてはホームエネルギーマネジメント(HEM)であり、この2つのエコシステムを統合するための鍵になると、ラックスリサーチのアナリストで本レポートの執筆者であるJessica Hernandezは指摘している。

2000年以降、HEMスペースには総額50億ドル以上が投資されており、過去5年間だけでもベンチャー投資は32億ドルに達している。これらの投資は、公益事業者や家庭用電化製品メーカーなどの大手企業のみならず、スマートホームソリューション開発企業、エネルギーサービスプロバイダー、蓄電池ソリューション開発企業、自動車OEM企業なども参入しており、HEM分野における技術イノベーションへの関心の高まりを示している。

この状況を打開するために、エネルギープロバイダーとスマートホームソリューションプロバイダーは、家庭向けのエコシステム全体でソリューションを提供するために、適切な戦略提携を構築する必要がある。同分野のサービスプロバイダは、対応可能なケイパビリティにおいて最も柔軟性の高い企業と提携する必要がある。また、エクステンデッドホーム分野のスタートアップ企業は、消費者の要求に訴えるために、エネルギーマネジメントと快適さの両方に対応したスマートホームソリューションの開発に集中すべきであるとラックスリサーチは述べている。