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POSTECHキム・チョルホン教授チーム、ナノサイズニッケル造影剤とレーザーによる光音響映像法開発

  • 2020-03-04 15:04
  • ACROFAN=Bora Kim
  • bora.kim@acrofan.com
光音響画像は放射線を使用せず人体に痛みを与えない生体映像機器で全世界的な注目を浴びている。最近では光音響画像診断を臨床に適用するため深部組織を観察しようとする研究が活発に進められている。
 
POSTECH(浦項工科大学)創意IT融合工学科キム・チョルホン教授、統合過程パク・ビョルリ氏が全南大学のキム・ヒョンウ教授、博士課程イ・ギョンミン氏との共同研究を通じて、生体深部組織の光音響映像法を提案した。ナノ(nano)サイズのニッケルベースの造影剤と1064ナノメートル(nm)のレーザーを利用したもので、今まで全臨床研究の中で生体内で最も深いところまでを見て見ることができる結果(〜3.4cm)である。
 
光音響画像は光を人体組織に照射するとその光を吸収した組織が瞬間的に熱膨張をしながら発生する音波(光音響)信号を超音波センサーで感知して映像化する原理である。従来の光学を利用する映像技術が非常に浅い深さ(〜1mm)だけを観察することができる一方、光音響画像は人体組織内数cmまで光学的コントラストに基づいた映像を獲得することができるという長所がある。
 
 

一方、深部組織に位置するさまざまな臓器をより詳細に観察するため、光音響造影剤の研究も盛んに研究されているが、短波長光(650〜900nm)を人体の奥深くまで伝達することが難しい。そのため深部組織を観察するには適していないという限界があった。
 
研究チームは長波長の光(1064nm)の強い吸収度を持つニッケルをベースにしたナノ粒子造影剤を用いた深部組織の光音響映像について紹介した。ニッケルベースのナノ粒子に対する生体適合性を全て検証し、ねずみのリンパノード、胃腸管、膀胱にナノ粒子を注入して最大〜3.4cmの深さで光音響画像を獲得した。

今回開発された光音響映像法を適用すれば、放射性物質を必要とするCTなどと異なり被爆の危険性なしに非侵襲的に深い組織内の疾患診断に役立つことができる。それだけでなく1064nm波長のレーザーは比較的価格が安く、一般市販超音波装置と組み合わせて使用​​することができて早いうちに臨床適用が可能と期待される。
 
この研究は科学技術情報通信部ICT名品人材育成事業、保健福祉部保険医療技術研究開発事業、韓国研究財団パイオニア事業の支援を受けて行われ、研究成果は分子画像診断・治療法分野の国際学術誌「テラノスティックス(Theranostics)」に表紙論文として掲載された。