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COMPUTEX 2019インターナショナル記者懇談会及びCEO基調講演

  • 2019-06-13 16:52
  • ACROFAN=辛 承羲
  • seunghee.shin@acrofan.com
TAITRAと台北コンピュータ協会(TCA)が共同主管する「COMPUTEX 2019」が台北南港展示センター(TaiNEX)、国際貿易センター(TWTC)、国際コンベンションセンター(TICC)で28日から6月1日まで行われる。人工知能(AI)やモノのインターネット(IoT)、5G、ブロックチェーン、革新やスタートアップ、ゲーム、拡張現実(XR)の5つの主要テーマに最新の技術トレンドを眺望する予定である。SmarTEX、InnoVEXなどの展示会とComputexフォーラム、5Gサミットなどのフォーラムを含むさまざまなイベントが行われる。

COMPUTEX 2019の開幕を翌日に控えた27日午前には「COMPUTEX 2019インターナショナル記者懇談会及びCEO基調講演」が開催され、今年初めて追加されたCEO基調講演にはAMDの会長兼CEO Lisa Su博士が基調講演者に参加して昨年公開された2世代AMD EPYCデータセンタープロセッサローマ(ROME)、次世代ナビ(NAVI)アーキテクチャベースRadeonグラフィックスカードRX 5000製品群の初ラインナップRX 5700シリーズ、そして12コアのRyzen 9プロセッサを含む3世代AMD Radeonデスクトッププロセッサ製品群を紹介した。

インターナショナル記者懇談会ではWalter Yeh TAITRA会長兼CEOが今回のCOMPUTEXについて紹介した。彼は「COMPUTEXは技術交流やコラボレーション、革新的な思考と資源統合のための全方位的プラットフォームの役割をすることであり、グローバルおよびローカルの資源のシナジーを創出するつもりだ。このためTAITRAはInnoVEX規模拡大に加えて台湾産業とグローバル資源間の緊密な連携により革新に貢献する予定である。COMPUTEXはICT業界のグローバルパートナーと一緒に革新の最前線に立つだろう。」と強調した。

▲COMPUTEX 2019インターナショナル記者懇談会及びCEO基調講演が開催された。

▲Walter Yeh TAITRA会長兼CEO

▲COMPUTEX 2019の規模は昨年比約10%増加し、毎年ICT業界の革新的な基準を披露する。
 
Walter Yehは昨年に比べ規模が約10%増加し、合計1,685個の展示企業が5,508個のブースで最新技術を披露する「COMPUTEX 2019」のイベントや展示場について紹介した。まず、28日に行われるComputex 2019の開会式にはIntelのGregory M. Bryantクライアントコンピューティンググループ首席副社長がデータ中心の環境でどのように企業が知能形コンピューティングを適用させているかについて紹介する予定であり、29日にあるMicrosoftのキーノートフォーラムではNick Parker副社長が新しいインテリジェントクラウドとインテリジェントエッジ発展について紹介すると明らかにした。

また、COMPUTEXフォーラム(COMPUTEX Forum)とInnoVEXフォーラム(InnoVEX Forum)は「Pervasive Intelligence」と「グローバルスタートアップを接続する台湾の利点」という二つのテーマについて議論することを紹介した。30日にComputex 2019と一緒に開催される台北5Gサミット(Taipei 5G Summit)は最新技術や業界動向に対する詳細な視点を提供する計画だと明らかにした。COMPUTEX 2019はグローバルパートナーがビジネスチャンスを拡大できるように当サミットで5G市場開発の機会、技術や革新的なアプリケーションについて議論する予定だと付け加えた。

展示区域での新しい点としてはサイバーセキュリティ及びビデオ監視(Video Surveillance)区域が最新コンピュータビジョン技術と市場機会を披露するために新設されたと述べた。今年InnoVEXは前年比20%以上の企業が参加し、展示、ピッチやマッチメイキングはより多くのブースが用意された台北国際貿易センター第1展示場で開催される。また、最初の慈善eスポーツイベントであるZOTAC CUP Fightリーグ・オブ・レジェンドトーナメントの慈善ゲームがCOMPUTEXで開かれると発表した。

▲AMD会長兼CEO Lisa Su博士

▲2世代エピックプロセッサ「ローマ(ROME)」の初公開デモンストレーションで2倍以上の性能の差を見せた。

次に行われたCEO基調講演ではAMDの会長兼CEO Lisa Su博士が7nmベースの様々なコンピューティングおよびグラフィック新製品を発表してデモを披露した。AMDは今回の新製品を通じてPCゲーマー、マニアやコンテンツ制作者に新たなレベルの性能、機能および経験を提供する予定である。

最初に発表された製品は2世代AMDエピック(EPYC)データセンター用プロセッサ「ローマ(ROME)」である。 2017年に初リリースされたエピックプロセッサはデータセンターに適した特徴とコスパなどの利点に支えられ、これまで60以上のエピックプラットフォームが生産されたと発表した。また、50以上のエピックプロセッサベースクラウドインスタンス(cloud instance)が生産され、データセンタービジネスで大規模なクラウド環境を造成していると強調した。

Lisa Su博士はAMDのエピックCPUとRadeonインスティンクトGPUが内蔵されたexa級スーパーコンピュータ「フロンティア(Frontier)」を紹介し、これは1.5 exaFLOPS以上の速度を出す世界最高速度のスーパーコンピュータになると期待していた。本イベントでは2世代AMDエピックサーバープラットフォームの公開競争デモが行われ、このテストで2世代AMDエピックプロセッサベースの試製品サーバーが競争製品に比べ2倍以上の性能を記録した。前世代と比較してもソケットごとに2倍以上の性能とソケットあたり4倍以上の浮動小数点性能を発揮すると予測され、今年第3四半期に発売される予定である。

▲ゲームアーキテクチャRDNAはコンピュートユニット設計を基にして効率を高め快適なゲーム性能と低遅延、低電力などの利点を提供する。

▲RX 5700の詳細な情報は来る6月10日午後3時(現地時間)に行われるAMD E3ライブストリーミングで確認することができる。

AMDは未来PCゲーム、コンソール、クラウドのための新しい基本ゲームアーキテクチャRDNAを公開した。新しいコンピュートユニット設計に基づいてRDNAは前世代のグラフィックス・コア・ネクスト・アーキテクチャ(Graphics Core Next、GCN)に比較して向上された性能、パワー、メモリ効率性を提供すると発表した。GCNに比べクロックごとに1.25倍向上された性能はもちろんと、ワットあたり最大1.5倍の向上された性能を提供してより快適なゲーム性能と低遅延、低電力などの利点をゲーマーに提供すると付け加えた。

このような新しい7nm RDNAをベースにした「ナビ(NAVI)」チップセットを搭載したGPUの初ラインナップであるRadeon RX 5000製品群のシリーズRX 5700が紹介された。高速GDDR6メモリ及びPCIe 4.0インターフェースを支援するRadeon RX 5700シリーズGPUはストレンジブリゲイド(Strange Brigade)ゲームデモを通じて競争製品に比べ高い性能を披露した。AMD Radeon RX 5700シリーズグラフィックスカードは2019年7月に発売予定であり、来る6月10日午後3時(現地時間)に行われるAMD E3ライブストリーミングでより詳細な内容が公開される。

また、Lisa Su博士はMicrosoftのOSプラットフォーム部門統括Roanne Sones副社長、Asusのグローバル副社長Joe Hsieh、AcerのJerry Kao副社長など業界を率いる有数のリーダーたちと一緒にAMD高性能コンピューティングおよびグラフィック生態系について議論した。彼女は「次世代コアのチップレット(chiplet)設計に戦略的な投資を続けてきており、向上された工程技術で7nm製品を高性能コンピューティング生態系に提供している」と、「AMDは業界パートナーとともにComputex 2019を通じて次世代Radeonデスクトップ、 EPYCサーバープロセッサ、Radeon RXゲームカードをリリースするようになって非常に鼓舞的だ。」と強調した。

▲12コア24スレッド構成のプロセッサである「Radeon9 3900X」は競争製品に比べより低電力で高い性能を提供する。

▲3世代AMD Radeonプロセッサの製品群と価格政策

最後にLisa Su博士はゲーム、生産性、コンテンツ制作アプリケーションに画期的な性能を提供する3世代AMD Radeonデスクトッププロセッサを公開した。新しい「Zen 2」コアアーキテクチャとAMDチップレット設計ベースの3世代AMD RadeonデスクトッププロセッサはIPC(クロック当命令語処理数)が前世代に比べ15%上昇しすべてのアプリケーションでの性能が向上して、2倍以上のキャッシュサイズはメモリ遅延速度を減少させて快適なゲーム環境を提供する。また、2倍以上の浮動小数点性能を発揮して最も速い速度を披露する。この他にもすべての3世代Radeonデスクトッププロセッサは世界初のPCIe 4.0を支援して最新マザーボード、グラフィック、ストレージ技術をPCに提供することができるようになったと付け加えた。

3世代AMD Radeonデスクトッププロセッサ製品群は6コアRadeon5モデル(3600、3600X)、8コアRadeon7モデル(3700X、3800X)、そして12コアRadeon9モデル(3900X)で構成される。 8コア16スレッドのRadeon7 3700Xは最大4.4GHzで動作しながら消費電力(TDP)は65Wに過ぎず、3800Xは最大4.5GHzで動作し消費電力は105Wである。3800Xは前世代の製品である2700X比ゲーム性能が34%までの差が出るほど優れた性能を見せると説明した。

個人用デスクトッププロセッサで初12コア24スレッドに構成されたフラッグシップRadeon9 3900Xは最大4.6GHzで動作しながら消費電力は3800Xと同じく105Wである。Lisa Su博士は特に3900Xは競争製品に比べ単一コア速度は14%、マルチコア速度は6%迅速かつ消費電力は60Wも低いと強調した。発売価格もRadeon9 3900Xの価格は499ドル、Radeon7 3800Xは399ドル、3700Xは329ドル、Radeon5 3600Xは249ドル、3600は199ドルに発表された。正式発売は2019年7月7日である。

▲発表が終わった後、Lisa Su博士とAMDのパートナー関係者が集まって記念写真を撮った。