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8世代Intel Core i7-8700Kプロセッサ:性能

  • 2017-12-22 17:00
  • ACROFAN=權 容滿
  • yongman.kwon@acrofan.com
8世代Intel Core i7-8700Kプロセッサはメインストリーム級のPCプラットフォームでは最初に6Core12スレッド構成を提供し高い動作速度も一緒に備え、シングルスレッドとマルチスレッドの環境両方で最高水準の性能を提供することが最大の特徴である。特に8世代Coreプロセッサが8Coreではなく6Coreでの拡大とともに高い動作速度を維持したのは、最新のゲーミング環境での性能を最大化するための現実的な選択でも見ることができだろう。

 
▲Intelのメインストリームプラットフォーム初の6CoreプロセッサであるCorei7-8700Kプロセッサ

 
▲テストシステム諸元

テストは基本的なプロセッサの演算性能の面や、システム全体の構成で既存の「カビレイク」ベースの4Coreプロセッサなどと比較しながら、二つのCoreが増えることによって得られる利点の側面を確認した。すぐに6Core 12スレッドと最大4.7GHzの動作速度を持つCorei7-8700Kプロセッサは、前世代の製品はもちろん動作速度が比較的低いHEDTプラットフォームの6〜8Coreプロセッサを脅かすほどの存在でもある。

テストシステムはIntel Corei7-8700KプロセッサとZ370チップセットベースのASUS TUF Z370 PLUS GAMINGメインボードを使用しており、メモリはDDR4-2666動作速度の8GBモジュール4個を使用、デュアルチャネルで32GBを構成した。プロセッサの動作速度の場合メインボードの自動設定値を利用しており、グラフィックスはプロセッサ内蔵グラフィックスをそのまま活用した。ストレージはIntelの525シリーズの120GBモデルを利用し、運営体制は最新バージョンのWindowsの10 RS2バージョンとメインボードに提供されるドライバを活用した。

 
▲SiSoft Sandra2017 SP1(Processor Arithmetic)テストの結果、高いほど良い

 
▲SiSoft Sandra2017 SP1(Processor Multimedia)のテスト結果、単位Mpix/s、高いほど良い

 
▲SiSoft Sandra2017 SP1(Memory Bandwidth)テストの結果、単位GB/s、高いほど良い

プロセッサの基本性能を確認できるSiSoft Sandra2017 SP1の結果では似たような動作速度を持つCorei7-7740Xと比較する際にも増えたCoreの数だけの確かな性能向上を見られた。一般演算性能では6Core12スレッドのCorei7-8700Kは4Core8スレッドのi7-7740X対比44%ほど高い性能を出し、50%もっと多いCore数の対比6%程度の性能差はフルロード時の動作速度の違いのために表われる。そしてi7-8700Kが6Core12スレッドのフルロードの状態でも4GHz以上の、より高い動作速度を維持することを示す部分でもある。

AVXなどを活用するマルチメディア性能テストでも、Corei7-8700Kはi7-7740X比最大47%まで高い性能を示しており、これはほぼ純粋にCoreとスレッド数、動作速度の部分に表示される差くらいだけを反映する。これに 「カビレイク」ベースの8世代Coreプロセッサの演算効率自体は既存の「カビレイク」ベースの7世代Coreプロセッサとほとんど差がないが、実質的な製品レベルでの性能の差はより多くなったCoreとスレッド、より高くなったメモリ性能などでかなり明確な違いを示し、これを可能にしたのはもう少し洗練された工程技術のおかげであるだろう。

Corei7-8700KのデュアルチャネルDDR4-2666メモリコントローラはもうデュアルチャネルとしても30GB/s以上の転送速度を記録し、HEDTプラットフォームでCorei7-7740XのDDR4-2666メモリコントローラとは誤差の範囲程度の差を示すほどだ。そしてこう向上されたメモリ性能はプロセッサとプラットフォームの性能だけでなく、内蔵グラフィックCoreの性能にも少なくない影響を与え、特に多数の高解像度ディスプレイが装着されている場合はディスプレイの性能だけでなく構成可能の可否まで決定することになる。

 
▲3DMark(Firestrike)テストの結果、高いほど良い

 
▲3DMark(Time Spy)のテスト結果、高いほど良い

 
▲PCMark10(Extended Test)のテスト結果、高いほど良い

システムのゲーミング性能を把握できる3DMarkのFirestrikeテストでCorei7-8700Kの内蔵グラフィックCoreは総点1374点を記録したが、これは7世代Coreプロセッサの内蔵グラフィックCoreが記録したスコアより小幅上昇したレベルである。グラフィックCoreレベルでの性能に影響を与えるほどの変化がほとんどなかったのにも関わらず性能向上が示された理由は、もう少し上がった動作速度、より高い動作速度のメモリコントローラと増えたLLCの総量、そして継続的に改善されたドライバの影響だと思われる。

一方、Firestrikeのプロセッサフィジク点数でCorei7-8700KはCorei7-7700K対比33%高い性能を記録し、スコア自体にみると前世代の8Core級HEDTプロセッサをほぼ追いつくレベルに達しており、Corei5- 7600K対比では二倍を超える性能を見せるほどだ。しかしTime SpyのCPUスコアでは約20%程度の高いレベルの性能を記録して性能向上の幅が減る様子であり、自然にHEDT級のプロセッサとの格差も大きくなる。もちろん現在HEDTプラットフォームのi9-7900Xが1万点を軽く上回っていることを考えると、Core数を考えると納得できるほどの妥当な結果でも見ることができる。

PCMark 10のExtendedテストは比較的に最新環境を反映したシナリオを通じてシステム全般の性能を測定する。このテストでCorei7-8700Kは全般的な領域で均等に高い性能を見せており、別途のグラフィックカードを使用している場合にはデジタルコンテンツの生産やゲーミングなどで大幅に向上された結果を得ることができると思われる。また、既存のメインストリーム級のクアッドCoreプロセッサに比べ、Corei7-8700Kはビデオ編集などのマルチCoreの利点が明らかな領域で大きな性能の違いを見せてくれたりもした。

 
▲SYSMark2014 SEテストの結果、高いほど良い

 
▲Cinebench R15のテスト結果、高いほど良い

 
▲Intel Linpack(2017.3.020)テストの結果、高いほど良い

実際に使用されるプログラムをベースに性能を測定するBAPCoのSYSmark2014 SEテスト結果では、Corei7-8700Kベースのシステムがi7-7700Kベースのシステムに比べ明らかな性能の違いを見せた。基本的なオフィス環境での性能差は大きくなかったが、メディアクリエーションやデータ分析などの分野ではより多くなったCoreとスレッドが明らか性能向上を示し、全般的な結果もこれを反映してかなり高くなる姿を見せた。反応性の面の結果などを考慮しても、より高い動作速度の6Core構成は現在のPC環境でかなりバランスの取れた姿を見せられる選択であることを確認することができる。

一方、プロセッサの演算性能を確認できるCinebench R15のテスト結果でもCorei7-8700KはCorei7-7700K対比45%ほど高い性能を記録したりもした。特に6Core12スレッド構成でも10Core20スレッド構成の前世代のHEDTであるCorei7-6950Xの80%の性能を見せるほどであった。これは以前世代や現在の世代の6〜8CoreHEDTプロセッサが示す性能とほぼ類似していることでもあり、より少ないCoreと単純な構造で出す性能であるだけ実際の使用環境での体感性能はこれよりも高いと思われる。

またプロセッサのAVX2演算性能を確認するIntel Linpackの2017.3.020バージョンでのテストでも、Corei7-8700KはCorei7-7740X対比46%高い性能を示し、i7-6950Xと比較すると80%程度の性能に近接することを確認できる。一方、AVX2ベースのプロセッサでは最新のライブラリと2017バージョン間の性能差は見られなかったが、数年前のライブラリと最新のライブラリとの間の最新のプロセッサでのAVX2性能差はかなり大きい方でもある。

 
▲Intel Core i7-8700K主要諸元

これまでCoreプロセッサが見せてきた歩みを考えると、今回の8世代Coreプロセッサを果たして「8世代」と呼ぶことができるかについては議論の余地が多少あると思われる。デスクトップPC用の「コーヒーレイク」も前世代の「カービィレイク」と技術的にはCoreとiGPUすべてほぼ同じレベルであるからである。しかし、「製品」の観点から見ると8世代Coreプロセッサは前世代より二つ多いCoreで、最近数年間の世代間の性能向上の中で最も大きな幅の性能向上を果たしたことも明らかである。

8世代Coreプロセッサはひょっとしたら、時代の変化に最も単純な方法で対応した結果でもある。マルチスレッド性能による重要性が十分に上がってきた状況で主要な製品群に2つ多いCoreを投入したのは、もう今より多くのCoreが十分な価値を渡すことができるほどに環境が変わったと判断したためでもある。そしてこのような傾向では適切な「加速器」の活用は危機論があった「ムーアの法則」を広い意味で継続的にリードしていくことができる環境に作ると期待する。もちろんこのような機会をつかむことができたのもこれまでの工程と低消費電力関連の歩みがあったからである。

一方、8世代Coreプロセッサとプラットフォームの発表時点で残念な点であればやはり「メインボード」だ。プロセッサはCore i3からi7まですべて披露したのに比べ、メインボードのチップセットは比較的高価型のZ370だけ披露したというのは、費用の面での購入を迷うようになる部分でもある。そしてこのような理由で今年下半期の8世代Coreプロセッサの関連需要は「Kシリーズ」中心の高価型を中心に形成され、今後中低価型のメインボードのためのチップセットが登場すればこれまで以上に迅速に7世代Coreプロセッサとそれ以前のPCを代替していくものと予想する。