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シンガポールのRestalystが肝臓がん診断を改善する新たな方法を開発

  • 2017-11-30 22:30
  • ACROFAN=金 炯根
  • hyungkeun.kim@acrofan.com
シンガポールの生物医学企業Restalystは肝臓がんをより正確に検知し、感度を90%に改善する新たなアルゴリズムを開発した。新たな方法は膜結合タンパク質のERBB3、AFP(アルファ・フェトタンパク質)、患者の年齢の3要素を調べる。これにより肝臓がんをより効率的に検知、特定し、慢性肝臓病と肝臓がんの区別をより明確化できる。

AFP検査は比較的安価で、使い方が簡単であり、広く利用可能なため、肝臓がんの検知、診断に一般的に使われている。AFPの感度が低いため、最大で6種の肝細胞カルシノーマ(がん腫)(HCC)陽性患者は20ng/mlを基準とするAFP検査だけを使ったのでは検知されない可能性もある。一部のケースでは慢性肝臓病の患者、特に肝細胞再生の程度が高い(例えばC型肝炎ウイルス)患者は、がんでなくてもAFPのレベルが高いことがありうる。しかし、がん患者とそうでない患者を正確に特定し、区別することはできない。

新しいアルゴリズムはRestalystと台湾のチャン・グン記念病院がチャン・グン記念病院のシエ・セン・ユン教授が特許を得た技術に基づいて共同開発した。これはAFPだけの利用に比べてよりよい肝臓がんの特定を可能にするものであり、欧州連合(EU)の体外診断用医療機器指令の要件であるCE-JVDマークを受けた。

Restalystはドイツのデュッセルドルフで11月13-16日に開催される医療技術の世界フォーラムであるMEDICA 2017で、シンガポール・パビリオンの一部としてホール3、ブース74で、このアルゴリズムの使用を初公開する。

HCCは最も一般的な形態の肝臓がんであり、毎年世界で最大100万人が死亡している。毎年世界で約50万人が新たにHCCと診断されている。HCCはB型肝炎やC型肝炎の感染やアルコール、アフラトキシンなどの有害物質に触れることで起こる肝硬変などの慢性肝臓病の人々に最も多く発生する。

初期であればHCCは手術か移植で治すことができる。進行したケースで治癒が不可能な場合は治療とサポートで患者の生命をより長くし、生活をよりよくするのを助けることができる。HCC患者の生存率は低い(5年生存率が5%未満である)。肝臓移植、切除手術、アブレーションなど治癒の可能性がある治療を受ける初期段階の患者の予後はもっとよい(5年生存率は40%-70%である)。