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HPE ProLiant MicroServer Gen10―性能

  • 2017-08-20 19:14
  • ACROFAN=權 容滿
  • yongman.kwon@acrofan.com
「HPE ProLiant MicroServer Gen10」は従来のHPEのMicroServerが備えた長所だった小さいフォームファクタに実用的な構成、信頼性の側面を維持しつつ家庭や小規模の事務室で様々な形で活用できるようにした。AMDのOpteronクアッドコアAPUはプロセッサーやグラフィック性能の両方で実用的な性能を提供し、小さなフォームファクタで四つのハードドライブベイを備えた構成はストレージを中心とした多様な活用案を期待できるようにする。

▲フォームファクタの長所を維持しながらビジュアル性能が大幅に向上されたMicroServer Gen10

▲テストシステム構成

テストシステムは最も基本的な構成を活用した。搭載されたAPUはAMD Optero X3421で、4つのコンピューターコアと最大3.4GHzの動作速度を持ち、GPUは8つのコンピューターユニットで構成、DDR4-2400メモリコントローラを備えてTDPは12~35Wほどだ。これと共に使用されたメモリーは8GB DDR4-2400 UDIMM 1つにシングルチャンネル構成でありハードディスクは1TBを一個使用した。テストに使用された運営体制は最も普遍的に活用できるCentOS 7.3を活用した。

テストは基本的なコンピューティング能力と性能特性を把握しようとした。今回「ProLiant MicroServer Gen10」は以前世代とはプロセッサアーキテクチャとコア数、システム構成等で大きく変わったほど、これを活用する方法も新たに考える必要があるだろう。特にクアッドコアプロセッサとさらに増えたメモリー、高解像度ディスプレーを支援するGPUの活用側面はこのシステムの活用の幅をもっと広げるようにすることが期待される。

▲SciMark 2.0テストの結果、単位Mflops、高いほど良い

▲FFTWテストの結果、単位Mflops、高いほど良い

▲メモリー性能テストの結果、単位MB/s、高いほど良い

プロセッサーの単一コアレベルの性能を確認できるSciMark 2.0の結果で見られるOpteron X3421プロセッサーのコア別の性能はそれほど印象的な方ではない。電力消費側面から35W TDPという制約がかかっている状態を考慮してもコア別の性能は以前世代に使用したIntelのペンティアムプロセッサに比べても優位を占めるとは見られないだろう。勿論このような部分は今まで数年間IntelとAMDプロセッサー間の比較でよく見ることができた様子でもある。

しかしマルチコア性能面では以前世代よりも多くのコア数を備えたことから来る長所が現れる。以前世代が使用したIntelのデュアルコア級プロセッサーと比較するとコア当たり性能は劣勢であってもコア数はさらに多くて全体の性能では若干の優位を占めることができるようになる。勿論アーキテクチャの特性によりワークロードタイプによっては全般的な趨勢を大きく外れる性能が出たりもするが、これを考慮するなら全般的には大きな不満が出ない水準だ。

メモリー性能面では最新DDR4メモリー規格を使用するがシングルチャンネル構成から来る限界も一緒に見える姿だ。チャンネル当たり6~8GB/s程度の性能であれば内蔵グラフィックコアとメモリーを共有する状況などを考慮したとき納得できる水準であり、デュアルチャンネルの構成時にはこれよりいろんな面で性能が改善されるだろうと予想される。そしてDDR4に移り奈良が二つのソケットでも気軽に16GB以上のメモリーを構成できるようになった点も性能以外の長所に挙げられるだろう。

▲Timed Benchmark Series、単位秒、低いほど良い

▲Computing/Disk Benchmark Series、高いほど良い

▲DBench、単位MB/s、高いほど良い

HPE MicroServer Gen10は大体数年前のメーンストリーム級のラックサーバーとも匹敵する水準を見せた。これはこのシステムが小規模グループのためのストレージ中心の軽い活用を前提とした低電力プラットフォーム基盤だということを考えればその意味が変わったりもする。特にクアッドコアプロセッサ、比較的大容量のメモリーとストレージを考えればこのシステムにウェブやストレージサービスなどのための軽い仮想化環境を構成、さらに多様な活用が可能であると期待されており、これは新しいクアッドコアプロセッサによって余裕ができた部分でもある。

テストシステムのストレージの性能は7,200rpm LFF一本のハードディスク構成にもそれなりの基本性能は見せている。特にディスクトランザクション性能を測定するPostMarkではそれなりに抜群の性能を見せており、SQLiteまたシステム構成対比遵守した水準の性能を見せている。勿論このMicroServerで重要なDBサービスを運営している場合はないけどファイルサーバーとともにウェブポータルサイトやブログほどに向けた小規模なDBサービス程度では大きな負担なしで一緒に活用することができるほどだ。

モデルの本来の魅力は低電力の小さいフォームファクタにハードドライブ4つを装着、大容量の多目的システムで活用できるという部分にある。HDD 4つの構成でRAID 5を支援しないということがあるが、これはソフトウェア基盤RAIDも代案になれる。またストレージ性能はHDD追加装着とドライブ当たりワークロードの調節やRAID構成などで大きく向上するものと予想され、実際使用のための構成ではより多くのドライブを通じてよりよい性能を期待することができるだろう。

▲3DMark(Sky Diver)テストの結果、高いほど良い

▲PCMark 10テストの結果、高いほど良い

その前の世代に対比今回のMicroServer Gen10で差別化される部分は「グラフィック」で、プロセッサーに内蔵された3世代GCN基盤グラフィックコアとともに二つのDPポートを備えて4Kとデュアルモニターの構成も支援している。これは一般的な形態の遠隔地サーバーでは大きな意味がない機能であるが、ローカルでのマルチメディア活用などで内蔵グラフィック性能は新たな形の活用を可能にする。特にこのグラフィックコアは4K、H.265 HEVC映像規格までのハードウェア加速も支援している。

Opteron X3421 APUの構成は従来のデスクトップPC用APUと比較した時、4コアと8個コンピューターモジュールなどを備えてTDPによる動作速度の差以外にはかなり立派な構成を備えている。これにMicroServer Gen10は安定性を重視するサーバーとしての役割が主流になるが、PCのように直接使用する場合にもそれなりの性能を期待できる。そして仮想化を通じてサービス面を分離することで相対するWindowsとLinux基盤使用環境での長所だけを取ることができる。

一方、グラフィック関連性能を活用するにあたってはLinuxよりWindows環境がいろんな面で有利なものとみられる。 一応Linuxで問題となるのはドライバーにかかっている。レッドハット系列のLinuxでの基本オープンソースのドライバーとD-SUB、特定ブランドのモニター組合ではグラフィック環境でモニター認識問題で画面を出力することができない場合もあった。またUIやAPI支援、マルチメディア支援など様々な部分でWindowsの方がもう少し有利な側面を備えている。

▲HPE ProLiant MicroServer Gen10主要諸元

HPE ProLiant MicroServer Gen10は「ProLiant」の特徴であるiLOやスマートアレイが抜けたにもProLiant製品群に位置している独特な存在である。「ProLiant」の名前に相応しい高い信頼性を備えて、既存のMicroServerが備えていた独特のフォームファクタが持つ長所を繋いでさらに洗練された形に切り替えて出した。これとともに強力なグラフィック性能を備えたAPUを使用してシステムの活用度を高めた点もこのシステムの特徴に挙げられる。

構成の面でグラフィック関連性能を得て遠隔管理機能を許した形となった今回のMicroServer Gen10は低電力やグラフィック、ストレージ側面の特徴を全て生かすためには構成に悩みが必要になる気もする。これに家庭や小さなグループほどでいつも手が届ける事務室ほどの空間に配置して、ストレージを通じた個人やグループの業務の支援、家庭や会議室などで映像再生などのマルチメディア性能活用などを一つのシステムで同時に得られるという点はこのシステムを考慮する使用者層にとってかなり魅力的な活用法になれるだろう。

勿論あえてこれを全て活用しなくてもMicroServer Gen10は低電力と独特のフォームファクタ構成、信頼性の面で十分に強みを備えている。そして新しい運営体制のオプションであるClearOSは基本の設置以降の大部分の構成と管理をウェブベースでできるようにしていて遠隔管理面の惜しさを克服し、既存のNASとも機能と利便性の水準で競争が可能なぐらいだ。これにMicroServer Gen10は固有の長所を維持しながら新しい可能性を加えて、家庭用や既存NASを悩んでいた使用者にとても魅力的な性格を備えているようになった点も重要な変化になるだろう。