acrofan

産業 経済 技術 ゲーム
社会 生活 自動車 メディア

Unreal Summit 2017、原田勝弘PD基調演説

  • 2017-04-24 12:53
  • ACROFAN=金 炯根
  • hyungkeun.kim@acrofan.com
Epic Games Koreaは22日、ソウル市江南区に位置したCOEXのグランドボールルームで技術関連行事の「アンリアルサミット2017」を開催した。

「Unreal Summit2017」の最初の手順では基調演説が行われEpic GamesのTim Sweeney代表とバンダイナムコゲームズの原田勝弘鉄拳プロジェクトリーダー兼リードプロデューサーが基調演説の講演者に選定され発表を行った。

 
▲原田勝弘プロデューサーが二番目の基調演説の講演者として登場した。

二番目の講演者で舞台に上がった原田プロデューサーは「鉄拳プロジェクトゲームの開発における哲学」について発表時間を持った。鉄拳プロジェクトを進めることにおいて最も重要と考えた点で仮説と統計データの観点を重要視して、データに現れないそれぞれの意見を受け入れなければならないと明らかにし、ひらめく創意性と運も必要だと述べた。

特に鉄拳の場合キャラクターゲームの側面が強いため国家と地域の幅広いコミュニティの文化によって価値観と評価基準が異なり、好みの多様性も程度が大きい方であってここに年齢層や性別などによる差も加わることに困難な点が多いがシリーズが続きながら世界市場を相手にしたケーススタディーがたくさんいると述べた。

原田プロデューサーは「キャラクターを作りながら聞くことになる『良いキャラの定義』に対して人、ゲーム、人気、キャラクターグッズ、人気寿命などを考えられるが実際にはそのような定義が適用することは難しい。」と述べ、「世界市場で10年以上長く、商品が数百万個単位で販売されるほど愛されることを目標としているものの、このためまず目標を狭めてキャラクターを好むことを望む相手、商品を買ってもらいたい主な顧客層を定めなければならない。しかし顧客が自分の好みを100%知っていないだけに隠されたニーズまで読み上げる努力も必要だ。」と明らかにした。

またキャラクターを制作する時、目標対象にこのようなキャラクターが的中するかという仮説を設定しなければならないが、この仮説がない場合は検証を通じて的中の可否を判断しづらいためノウハウ蓄積のためにも成り立ちに関係なく設定しなければならないと強調した。原田プロデューサーは鉄拳のスティーブフォックスとサマーレッスンの宮本ひかりを例と挙げ、「このキャラクターたちは全く別のユーザーを対象としたキャラクターであるため全く異なる設定と物語を盛り込むようになりキャラクターコンセプトを作る方法も変わるようになる。」と紹介した。

 
▲鉄拳プロジェクトゲームの開発における哲学を紹介する時間を持った。

 
▲それぞれのキャラクター選好度が異なるためケーススタディーが多いほど有利だ。

 
▲キャラクターごとに全く異なる設定と話を入れてキャラクターコンセプトを作る方法も変わる。

一方コンテンツが製作されればフィードバックを受けなければならないが、開発中に外部公開ができない場合は海外支社内のフィードバックや標本サンプルについて定性調査フィードバックを使用し、発売後には使用率や人気投票、ユーザーはがきまたはアンケート調査、インターネットのサンプル標本調査、リサーチ会社による能動的調査、グループインタビューなどの多様な方式を活用することができる。このようにフィードバックデータを確保しながら重要な点としては最大限に多くのフィードバックデータを確保しなければならないという点を挙げた。

一方、仮説と統計データ、そしてフィードバックが手に入るとデータを合わせて結果を検証しなければならないが、ポジティブ・ネガティブにに関係なく開発者のアイデアのどの部分がずれたのかすべて数値化し、可能な限り文書化する作業を経ることになる。これは人気の良し悪しが結果の良し悪しにつながることではなく、あくまでも「仮説との差」に対して冷静に検証する過程を進行する。原田プロデューサーの場合人気順位と使用率の順位まで仮説を立ておいて開発を進め、これはキャラクターの人気順位を決めておいた上で開発を開始するということを意味する。

その場合「全体のキャラクターが好まれるようにすべきではないか」という質問を受けるがこれは理想論に過ぎず現実的には全員が1位になることはできないと断言しており、ただ仮説と予想を大きく外れた場合も存在することを明らかにした。その例として挙げたリリとドラグノフの場合、ドラグノフは「陰と陽」の効果を狙ってリリの人気を倍加するため人気が低いキャラクターにする計画だったが予想外に人気が高くなって次回作に影響を及ぼすことになったと紹介した。

またガンリュの場合人気もなく使用率も低いが、セグメント上の確固たる地位を持っているのにそれなりの価値があり長期間使われたという。しかし人気と使用率が必ず比例するのではないため性能が早ければ自然に活用率は高まるが、関連商品は影響を受けないのでこれに対する仮説も必ず立てなければならないと述べた。

このほかにも原田プロデューサーは目標対象と仮説、コンセプトをしっかりと持っていないまま単に偉いうでを持ったデザイナーにキャラクターデザインを任せる場合、図の魅力にみんなに目がくらんでゲームに必要なコンセプトを失うことになったり目標対象が食い違うことも発生しうると強調した。さらにこのようなことを最少化するためゲームに必要なキャラクターコンセプト、目標対象などの仮説をきちんと立てて統計データとともに文書化してチーム内に共有しておけばデザイナーがこれに合わせて大活躍できるだろうと提案した。

 
▲様々なフィードバックデータを最大限収集しなければならない。

 
▲仮説及び予想を大きく外れる場合も存在する。

 
▲結果を統計データで検証して数値化し可能な限り文書化しようとする。

 
▲キャラクターコンセプト、目標対象などの仮説を立てて文書化することを提案した。